関市役所商工課

船木 ひとみさん

50年以上続く文房具屋を子供たちが承継。
“文房具+α”でヒトが集まるスポットへ。

「自分だけのこだわりを楽しむ」 どこにもない文房具のセレクトショップを関市につくります。

『私の祖父の代から50年以上この関市に根付く文房具屋を残したい』 

 関市内の多くの学校・病院に文房具を届け続け、多くの人の思い出とともにある(株)シバタが私の実家。地域と関わりが深いお店が今の時代少なくなってきています。長い歳月をかけて少しずつ少しずつ根を張って関に在り続けたから得ることが出来たこのお店のプライスレスの価値。年齢的に父・叔父が退こうとしているならば娘の私たちがお店の「文化」のバトンを受け取り、お店のストーリーを繋いでいきたい。戦後の1948年に祖父がリアカーで日用品を届けることで始まり作られてきたこのお店の文化。75年経って、変わりながらも変わらなかったお店を繋ぎ、地域とのつながり+αのスタイルでより魅力的にお店にしていきたい。全く違う業界で仕事をしていた私ですが、文房具に可能性を感じ、新しい事業化と移住を決意しました。
 AI化、ペーパーレス化、少子化、ネット流通の拡大。事業の大きな課題として文房具から人が離れている現状。また文房具がどこでも買える時代になり、‘文房具屋’という形で構えるお店は少なくなっている。ピンチです。でもだからこそ面白くて、だからこそ存在価値が高まっていく。そう、チャンス。実際(株)シバタも店舗での売上額はピーク時と比べると減少。店に足を運んでくれるお客さんが少なくなっているなら、「人を集める何か強み」を。そして新たな人の流れを生み出すには足を運びたくなる「空間の演出」を。そしてやはり文房具屋として文房具の魅力をたくさんの人にもう一度伝えていきたいのです。今までの事業承継と新しいアクション。地域とのつながりに、「商品」「空間」「人」の変化を融合して強みを作り出す。それが今の私たちだからできるミッションだと思っています。時代にあった消費者の需要と価値感の変化。私たちの生活のなかで文房具の魅力をより引き立たせるため商品を選び、地域性と絡めて事業展開をすれば必ず拡がっていくイメージを持っています。目指すところは、文房具・文房具屋を通してヒトとヒトが混じり合い、地域も絡み合いながらともに豊かになっていけたら最高です。
 文房具の可能性と関市という地域性。この関市にはインバウンドの強みがあります。それをどう活かしていくか、文房具とどうつなげていくか。ここに可能性を感じ、わくわくしています。‘使ったモノが無くなったから行く’場所から‘わざわざ時間を作り出して向かう場所’に。‘どこでも買える文房具’をあえて‘この場所に来てこのお店で買いたい’にシフトチェンジ。そしてこのお店が、関市で活躍する人・頑張っている人の活動場所となり、共に躍動しながら応援することが出来たら。そしてこのお店が、「ジャパニーズ文具」「関の刃物」のスポットとして海外からもヒトが集まる場所となったら。

… 地元の文房具屋として50年以上も在り続けた存在に信頼と感謝を持って、場所と人と時間が交じり合い笑顔があふれる空間の演出をチャレンジします。
そしてこの機会を通じて、父のライフワークとして培ってきたものを本気で伝えてもらうきっかけとなったことに感謝しています。

<新たに始める事業の概要>
【誰をターゲットに】特に30~40代に向けて
・仕事をして自分で稼ぎがあって、ある程度自由にお金を使える年代層(30~40代)。ひと昔前の景気のいいころの日本と比べ、現在は’手の届く範囲’で高品質・満足感の高いものに    価値を見いだす人が増加。その傾向は文具界で見れば「不況の中の活況」です。文房具はまさに生活の一部であり、仕事の相棒。モノにこだわり、日用品のクオリティーをあげたい30~40代に届けたい、手に取ってほしい文房具をセレクト。

【何を】デザイン文具、オシャレ文具、サスティナブル文具、オリジナル商品(関市の刃物とコラボ、トラベラーズノート)
・今までの学校・病院・法人向け文具→よりパーソナルな文具を。ギフトにも選ばれるような少し特別でこだわりのある製品。商品単価も少し高め。100円ショップやコンビニ、スーパーの文具との差別化。また、エシカル消費につながるサスティナブル文具を充実させる。全日本文具協会も環境問題を重要課題として取り上げ、さまざまな製品を各会社が出している。お店での消費行動が環境・子供たちのミライ、生産地・生産者の応援につながれば最高じゃないか?商品購入の先にもストーリーがある、そんなこだわりのモノをセレクトしていく。(※オリジナル商品の一つとして、関の刃物会社とコラボをして商品化を進める)

【どのように】
1)”移動文具店”(月2程度)
・私の祖父が戦後リアカーを引いて日用品を売り出したことが今ある「㈱シバタ」の始まり。必要としている人たちに、足を使って届けに行く。75年前の祖父の意思を受け継ぐよう な移動文具店は、文房具の魅力を伝えるため・お店の新たなファン獲得のためにも全国各地へ。「原点回帰」でリアカーを相棒に、移動文具店として各地で出店します。
2)倉庫オープンdayの開催(月3~7回限定)+テナント貸し ・倉庫を母体に。店舗を稼働するにあたってのもろもろの費用削減と、効率のよい働き方の実現。月に数回のオープンday。
(※倉庫を利用するためにクラウドファンディングで協力者を募って資金集めをしリノベーション(2025年春予定))
「文房具+α」(アート、こども、カフェ、習い事、アパレル、雑貨、音楽、∞)で地域で活動・活躍しているお店や個人にオープンdayに合わせて出店してもらう。様々なカテゴリーが入り交じる空間、ワークショップの開催で滞在時間の増加効果も期待できる。
●地域で頑張っている人の活動場所の一つとして倉庫の有効活用とオーガナイズ(シェアスペース)
(関市に活動する場所がある⇒(都市から)優秀な人材が関市に帰ってくる⇒関市が必ず活性化する。)

◎「モノ消費」→「コト消費」へ。モノである文房具をただ売るのではなく、1)も2)もコトとして体験的に消費できる形態をポイントに。WSに参加する、製品を試す場所がある、購入した文房具を手に取りながら、そこが仕事場所、勉強時間、カフェタイムにできる空間を提供する。